後期高齢者となった私の年齢で、まだ両親が健在というと大方の人は「へぇ～！」とか「長生きだねぇ！」とか云う。

健在といってもすこぶる元気という訳でもない。何しろ今年97歳と96歳になるのだから、、、。

ガラ系の携帯電話をそれぞれ持っていて、電話をすると受け応えはしっかりしている。耳はすこぶるいい。

岩手の寒村で産まれ育った二人は奥州山脈の最高峰岩手山からの雪解け水と湧き水で育った。

『霧ふかき好摩の原の停車場の朝の虫こそすずろなりけり』

歌人 石川啄木の歌にある好摩という駅が私の故郷である。昔は寒村だったが17年前に市町村合併で盛岡市となった。

年に数回 帰郷すると時間の経過を忘れるほどのんびりする。空気も空も人もすべてのんびりしている。

小さかった頃、大きな山、大きな川、大きな原っぱと思っていたところが大人になってから眺めるとみな小さくみえる。

高校生で通学した東北本線は今は銀河鉄道となっている。宮沢賢治の著作「銀河鉄道の夜」に由来するとか。

そして、2023年に行ってみたい町にロンドンに次いで、盛岡市が2番目に選ばれた。

「見過ごされがちだが魅力ある街」と紹介されている。

静かな町が少し賑やかになるだろう。